◎ H31年 2019年センター試験古典問題について



今回のセンター古文『玉水(たまみず)物語』、及び、センター漢文『杜詩詳註(とししょうちゅう)』は、共に問題レベルとして極めて易しく、また、報告された古漢の得点を見ても満点〜8割がほとんどであることから、木山方式の分析記事を書くまでもないと判断いたしました。
以前にも、H28年センターなど、極めて平易な問題であった年度の分析記事は書いておりません。


『玉水物語』は、御伽草子(おとぎぞうし)の作品です。御伽草子とは、室町から江戸初期にかけて作られた短編の物語群の総称で、多くは挿絵入りの写本として創られましたから、絵を楽しむ要素も強く、文章の方は比較的平易です。あらすじも素朴であり、複雑な構成や詳細な心理描写などに乏しいと言われています。
おおむね婦女童幼の読み物として、あるいは、庶民に楽しめるレベルの読み物として存在したようです。
したがって、御伽草子を入試問題に用いる場合、設問をかなり工夫して高度にしない限り、いたって内容平易な、学力判定試験としては意味を成さない程の '' 手応えの無さ " になりがちですが、今回のセンター古文がまさにそれだと思います。


漢文は著名な詩人杜甫(とほ)の、叔母の死を悼む文章が出題されました。
問1「」「」の語釈問題など極めて基礎レベルな設問であり、問4 の白文問題も、特別な句形の知識を必要とせず、文脈から簡単に推察できる内容でした。


センター試験の中間発表では、国語の平均点は117.78点。昨年度の104.68点から約13点のアップとなりましたが、私自身にはそれでも意外な印象であり、河合塾の平均予想値のように127点前後までいくのではないか(つまり前年比で20点以上のアップ)と考えていましたが、これについては最終発表を待つしかありません。

2月7日に大学入試センターより発表された国語の最終平均値は、さらに上昇して121.55点、昨年比で約17点の大幅UPとなりました。

以下、学生さんからの報告が届き次第、このコーナーで順次紹介していこうと思います。




  現代文 古 文 漢 文 合 計 全教科(得点率)
87 50 50 187 839(93.2%)
78 50 42 170 810(90.0%)
75 45 47 167 774(86.0%)
85 42 43 170 806(88.9%)
79 32 36 147 776(86.2%)
83 30 42 155 776(86.2%)
88 34 39 161 733(81.4%)
78 45 37 160 740(82.2%)
77 38 46 161 571(81.0%)
81 37 39 157 722(80.2%)
K 72 50 50 172 821(91.2%)

注…700点満点

A→東京大学・文科 Ⅱ 類 合格    B→京都大学・教育学部 合格
C→早稲田・先進理工学部 合格   D→北海道大学・医学部(医) 合格
E→大阪市立大学・医学部(医) 合格 F→東京慈恵会医大・医学部(医) 合格
H→横浜市立大学・医学部(医) 合格 K→東京大学・文科 Ⅲ 類 合格



【学生の声】



古文は内容はよく分かった気がしましたが、得点は今一歩でした。漢文はまあまあ出来ました。

本番ではスラスラ解けた気がして、読めた!と思いましたが、自己採点してみるとそれ程でもなかったという印象です。選択肢が悩ましいものが多かった気がします。

おかげさまで、古典は満点でした。ありがとうございました。

古漢は、文章は比較的読み易く感じましたが、設問は選択肢が切りにくく、結果として難易度は普通だと感じました。古漢は80点、国語の全体は168点。昨年の105点から63点も上がりました。本当にありがとうございました!木山方式の単語・文法のお陰で、読めない箇所は1行もありませんでした!

10月末に公式資料を送付して頂いた者です。公式に関しては、特に古文の直単をメインに活用させてもらいました。本番でも、古文漢文ともに単語面で困ることはなく、センターの結果は、現代文100点・古文50点・漢文42点の192点でした。直前期にもかかわらず、資料を送付して頂きありがとうございました!
(注 この方の総合得点が不明なので、上の図表には入れていません)


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